自己破産で借金を整理できる条件をチェック

借金があり毎月の返済が金銭的に難しい、また借金を返済するために他の金融機関で借金して返済に充てるといった、自転車操業をしている人の中には自己破産を考えている人もいるかもしれません。自己破産できる条件をチェックしてみましょう。

専門家への依頼は準備にすぎない

自己破産は弁護士や司法書士といった、法律の専門家に手続きを依頼し行うのが一般的です。ただし、依頼した時点で自己破産ということにはならず、裁判所で破産開始決定が決まったら本格的に手続きがスタートします。自己破産は借金をゼロにできる債務整理ですが、ハードルも高いので最終手段として考えておくのが良いでしょう。

自己破産は最終手段として考える

かなりの額の借金を抱えているという場合、金銭問題を解決するために債務整理の手続きを行うのがおすすめです。債務整理を行うことで借金を整理でき、金銭的な問題・負担を大きく軽減することができます。債務整理にはいくつか方法がありますが、その中でも最も金銭問題を解決する効果が大きいのが「自己破産」です。

自己破産はお金を返済する義務自体がなくなるため、それまで背負っていた借金がまるごと無くなります。金銭問題に悩む人にとって、大きなメリットがある債務整理です。しかし、恩恵が大きいということもあり、手続きのハードルはとても高いものとなっています。また自己破産したことによる、マイナスイメージもついてしまうことも考えなければいけません。

自己破産は借金を返済できないときの、最終手段として考えたほうが良いでしょう。金銭問題に強い弁護士や司法書士に相談して、他の債務整理で借金を整理できないかまずは相談することをおすすめします。専門家に相談して、やはり自己破産しか解決する道は無いということになったら、弁護士や司法書士に依頼し自己破産の手続きへと移ります。

破産開始決定がスタートとなる

自己破産は裁判所への申し立てなどが必要となり、法律に詳しくない人だとスムーズに進めることができないため、専門家である弁護士に依頼するというのが一般的です。債務整理に強い弁護士や司法書士に依頼すれば、素早く対処してもらえます。

ただし、弁護士・司法書士に自己破産の申請を依頼したからといって、その時点で自己破産ができるという訳ではありません。この時点ではあくまで、自己破産の申し立てを行う準備をしたというまでです。裁判所に自己破産の申立書を提出して、「破産開始決定」が出てからが本格的なスタートとなります。

自己破産は、借金返済に苦しんでいる人を救済する措置です。借金を免除するかどうかの判断は、裁判所にゆだねられます。自己破産が認められるには、免責事由に当てはまらなければいけません。裁判所で免責審尋という面接のようなものを受け、様々な条件をクリアしたケースだけが自己破産できるようになります。

借金問題を抱えているとすぐにでも自己破産で解決したいと考えてしまいがちですが、破産開始決定が出てから手続きが開始するということは覚えておきたいポイントです。

自己破産できる条件をチェック

自己破産で借金を整理できるケースとしては、生活保護を受けるようになった・収入がなくなった・借入限度額に達してしまい支払不能となったなどが挙げられます。ギャンブルや株式投資などは免責不許可事由に該当すると判断され、自己破産できないケースが多いようです。

支払不能状態が条件となる

破産開始決定となるのは、裁判所が「支払不能」と認めたケースだけです。自己破産する人に多い、典型的な支払不能ケースをチェックしてみましょう。まずは生活保護を受けている・受けることになったというケースです。生活保護で支給されたお金は、あくまで生活費として使用するものです。生活保護のお金は借金を返済するのに、使ってはいけないという決まりになっています。ですので、生活保護を申請する際に借金があるという場合は、自己破産となるのが基本です。

生活保護を受けるまでではなくても、収入が全く無いというケースも支払不能状態として認められます。収入が無くなってしまうのは仕事が無くなってしまった、交通事故などで思わぬ怪我をした、病気になったなど人それぞれです。今までは収入があったので返済できていた借金が、収入がなくなったことで生活費用もままならぬほど、切迫した状態になってしまいます。

また事業に失敗したなどの理由で借金を積み重ねた結果、借入限度額に達してしまい支払不能というケースも少なくありません。何か1つでも生活にトラブルが起これば、支払不能となる可能性があります。

自由に自己破産できる訳では無い

毎月、毎月やってくる借金の返済が難しいからといって、誰でも自己破産できるという訳ではありません。自己破産は返済問題に悩んでいる人を助ける措置ではあるものの、条件をクリアした人だけが認められるものです。裁判所に申し立てをして免責不許可事由に当たると判断された場合、自己破産で整理することはできません。

免責不許可事由となってしまう理由として、ギャンブルや過度な浪費でできた借金が挙げられます。パチンコ、パチスロ、公営ギャンブルなどや、株式投資やFX、先物取引などで作った借金は免責不許可事由となり自己破産することはできません。この他に収入に見合わないほど海外旅行に頻繁に行く、高額な美容代にかけて作った借金なども認められないようです。この他に財産の隠蔽・不当な処分をした場合や、クレジットカードを現金化した場合も免責不許可事由に該当します。

自己破産は返済問題を大きく解決できる措置ですが、申請したからといって必ず借金を整理できるとは限りません。自分の場合、自己破産ができるのかどうか判断が難しいという場合は、弁護士や司法書士といった専門家に相談すると良いでしょう。

自己破産するまでの流れ

破産決定となるのは裁判所で破産審尋を受けて、破産手続開始決定・同時廃止決定が認められてからです。その後、免責審尋の審理へと入り全ての手続きが完了すれば、免責が決定し自己破産で借金を整理することができます。

破産審尋は必ず通る道

自己破産の破産決定となるには、破産審尋は必ず通る道です。自己破産に至った理由や、債務状況などのヒアリングを裁判所で受けることになります。自己破産を申請するまで借金が膨らんでしまった原因は一それぞれなので、なぜ借金をすることになったのか少し厳しい質問を受けるかもしれません。

破産審尋はさほど時間はかからず10分から15分程度で終わるケースが多いようですが、免責決定が受けられるか不安に感じている人は、どのような質問をされるのか心配してしまうでしょう。このような場合は事前に弁護士と、想定問答をシミュレーションしておくことがおすすめです。債務整理に強い弁護士などは、破産審尋でどのような質問をされるのか把握しています。前もって想定することで、気持ちに余裕を持って破産審尋に挑めるのです。

ただし、破産審尋をクリアしたからといって、自己破産が決定するという訳ではありません。あくまで破産手続きの決定が行われるというだけで、その後に免責審尋というものを受け免責されれば自己破産で借金を整理することができます。なお、破産審尋は平日の日中に裁判所に出かける必要があるので、仕事をしている人は注意が必要です。

借金の免責を許可する免責審尋

破産審尋は自己破産の手続きを決定するために行うものですが、その後にある免責審尋は借金の免責を許可するために受けるものです。破産審尋同様、裁判所に出向いて面接のようなものを受けることになります。

どのような質問をされるのか不安に感じる人もいるかもしれませんが、氏名や住所、提出した書類に間違いはないかなどの確認をするのが一般的ですので、さほど心配しなくても良いでしょう。一部の裁判所では行わないケースもあるようですが、免責審尋が行われる場合は必ず出席しなければなりません。

もし、受けることになったら必ず行くようにしましょう。仕事があるからといって勝手に休んでしまうと、裁判官の心証を悪くし免責不許可になる可能性があるためです。ただ、裁判所が一方的に日時を決めるということは無く、こちらの都合が悪い日は避けてくれます。免責審尋は弁護士も出席することになるので、事前に日程を調整することになります。

免責審尋は破産決定が決まってから、約2ヶ月後に行われるというのが一般的です。免責審尋にかかる時間は、10分から30分程度となっています。免責審尋が済んだら、後は自己破産が決定されるのを待つだけです。

判断には専門家の知識が必要

自分が自己破産できる条件に当てはまっているかは、弁護士や司法書士に相談することで知ることができます。ただ、専門家に相談するとなると費用面が心配です。弁護士事務所や司法書士事務所の中には、相談費用が無料という所もあります。

まずは専門家に相談しよう

返済するのが難しい借金を抱えており、生活が苦しい・電話などの督促におびえる毎日を送っているという場合、速やかに債務整理で借金を整理することをおすすめします。債務整理には自己破産の他にも個人再生や任意整理という方法がありますが、このような方法でも返済が困難という場合は自己破産を選ぶことになるでしょう。

ただし、自己破産は借金問題を解決する効果が大きい分、誰でもこの方法で借金を整理できるという訳ではありません。条件を満たしていなければ、裁判所で免責が認められないのです。今の借金状態で自己破産できるのかどうかは、素人だと判断することが難しいため法律のプロである弁護士や司法書士といった、専門家に相談するのがおすすめです。

書類の作成や裁判所での手続きなども、全て弁護士や司法書士が行ってくれます。自己破産は自分1人で行うこともできますが、提出した書類に不備があったり裁判官とのやり取りがスムーズにできないと、自己破産が認められる申し立てるために使った時間は全て水の泡となってしまいます。このような事態に陥らないためにも、やはり専門家に相談するのがベストと言えるでしょう。

無料相談を活用するのがおすすめ

自己破産の相談を弁護士や司法書士にしてみたいけれど、相談するために必要な費用も準備できないという人もいるかもしれません。一般的に弁護士や司法書士への相談は、30分で約5000円程度という金額が相場と言われています。何回も相談するとなると、それだけでかなりの金額がかかるため二の足を踏んでしまいがちです。

実は債務整理を得意としている法律事務所や司法書士事務所の中には、借金の相談を無料としている所も少なくありません。費用を支払わなくて済むため、借金問題を抱えている人も利用しやすいのではないでしょうか。また、電話やメールで相談を受け付けている所もあるようです。

弁護士事務所や司法書士事務所へ行くというのは、とても敷居が高く感じてしまいがちです。どのような質問をされるのか、不安に感じる人もいるでしょう。いきなり対面で相談するのは気が引けるという場合、電話やメールでの相談をおすすめします。

電話・メールであれば、気負いなく相談できるかもしれません。また、弁護士事務所や司法書士事務所に出かける時間や交通費も節約できます。借金問題に悩んでいるのであれば、とにかく相談することから初めてみてはいかがでしょう。

まとめ

自己破産は弁護士や司法書士に依頼したからといって、借金を整理することはできません。裁判所で様々な手続きを経て、免責が認められた場合にのみ適応されます。自分が自己破産できる条件に当てはまっているかを知るためには、弁護士や司法書士といった法律のプロに相談するのが1番の近道です。

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