自己破産は生活を再生するためのメリットの大きい手段

いつの間にか増えてしまう返済は、なかなか自分の力では解決することが難しく大きな借金になることがあります。どうしようもできなくなった時に期待できる手段が自己破産です。あまり良い印象がありませんが、確実なメリットがあります。

自己破産すれば借金返済不要

最も大きなメリットは、借金の返済が不要になると言うことです。自分ではどうしようもできなくなった場合の最終手段として利用することができます。そしてそこから生活を立て直して、もう一度やり直すことができます。

払えないから許してもらう

自己破産は借金を肩代わりしてもらう制度ではありません。本人に支払い能力がないと判断された場合に返済することができないので、債務を諦めてもらうことです。そのため代わりに誰かに返済をするようなことありません。いくつかの制限はありますが、他の義務が発生することもありません。

裁判所に申請をすると、現在持っている資産とその後の見込み収入などを考えて支払いが可能かを検討されます。そして全ての債務を返済することがむ不可能だと判断されたことで、「支払い不能」と言う状態になります。これで自己破産が成立したことになります。だから、資産がある状態では支払い不能と判断されることはありません。少なくても健康で文化的な生活ために借金を帳消しにしてもらいます。

費用の面でマイナスがなくなると言うことは、生活を立て直す上でとても重要で、大きなメリットと言えるでしょう。精神的にも追い詰められることがなくなるので、余裕が持てるようになります。どうしようもできないことを一人で悩んでいるよりは、早い段階で自己破産の申請をして足場のしっかりした状態にすることが大切です。

資産がゼロでなくても良い

自己破産をすると聞くと、全ての資産や収入がない状態にしなければならないと思う人がいますが、それは少し違っています。破産という言葉が全てを失うと言うイメージになるようで、それが勘違いを招いて言います。基本的には負わされている債務の大きさが、本人の保有している資産と今後見込める資産と比較して大きいと判断されることが重要です。

また、収入も全てが対象というわけではありません。生活する上で支払わなければならないものは、非免債権として扱われます。例えば住民税などの税金です。返済のために納税をおろそかにして良いわけではなく、自己破産だからと言って税金を免除するわけでもないのでその分は引かれます。養育費も同じように非免債権として扱われます。親の借金のせいで子供が不利益を受けないように、養育に必要な最低限の分は除外されて考えられます。このように生活に必要となる分については残して考えることができます。だから自己破産しても人としての生活は続けることができます。人目を忍んで生きていくようなイメージをしているなら、しなくても良い過剰な心配をしていると言えます。

自由財産は残すことができる

自己破産しても残すことができるものに自由財産と言うものがあります。生活に最低限必要な財産でなくなることで、健康的で文化的な生活ができなくなると思われるものが対象です。だから、使っていた家電製品をそのまま使うこともできます。

なくなって困ることは守られる

いつも使っているものの中には、なくなると生活ができなくなる場合があります。例えば洗濯機や冷蔵庫などです。生活に必要となる最低限度の財産は、破産管財人に属さないと言う取り扱いが許されます。つまり、返済能力を資産する中に組み込まれません。破産手続きが完了しても残してもらうことができます。

このような財産は、破産人が後から自由に清算できるため、自由財産と呼ばれています。自己破産の目的として、生活の立て直しがあります。借金を返済することで困っている人が一からやり直すことができる機会を与えるために行われます。

生活が問題なくできる資産が残っていれば、生きていくことに苦労する時間が少なくなります。何かを始めるにしても、スタート地点がマイナスではなかなかうまくいきません。自己破産はそれをゼロに戻す役割を持ちます。自己破産することは債務者にとって最終手段かもしれませんが、最終地点ではありません。そこからもう一度頑張って這い上がる機会は用意されています。間違ったイメージを持っていることで自己破産しないのは、再生する機会を失っているだけかもしれません。

自由財産に含まれるもの

自由財産には何が含まれているのでしょうか。どのようなものが該当するかは破産法によって決められています。自分で主張するわけではないので、自由に選べるわけでもありません。法律に基づいて当然認められることから「本来的自由財産」と呼ばれることもあります。

この中には、新得財産や、差押禁止財産、99万円以下の現金が含まれます。新得とは、破産手続きが開始されてから取得したものです。それらは対象とみなされません。差し押さえが禁止されているものは、生活に必要なものなどが該当します。寝るのに必要なベッドや衣服も必要です。食事をするために必要な調理器具や炊飯器、電子レンジ、冷蔵庫なども大丈夫です。エアコンなどの冷暖房器具も当然許されます。テレビやラジオ、ビデオデッキも生活には必要です。そのほか仕事に必要とされるものも差し押さえられることはありません。位牌や勲章、名誉を証するものは直接的に生活に関わるわけではありませんが、残しておくことができます。そのほかに生活に必要な費用として、99万円以下の現金も手元に置くことができます。これだけあれば生活に困ることはありません。

精神的なメリットが大きい

自己破産した時に感じることとして、今までいつも悩まされてきた返済を考えなくて良いと言う精神的な部分が大きいと言います。いつ取り立てられるかビクビクしながら生きていくのは辛いことです。それがなくなることは、負債を抱えている人にとって大きなメリットです。

債権者との関係がなくなる

借金とはお金を貸し付ける債権者と返済する債務者の関係を作ります。そして債務者が支払いを滞らせれば、債権者は支払いをしてもらえるように働きかけることになります。両者の契約にしたがって行われることで、契約の内容によって少しずつ変わってきます。

債務者は債権者に支払いを求められることが苦痛で仕方なくなります。支払うことができれば、問題ないことですが、それができないから困っているわけです。そんな時に連絡があると、困ってしまいます。できれば連絡が来ないでくれと考える日々が続くようになります。

それが繰り返されると精神的な苦痛は大きくなり、頭から離れなくなるでしょう。常に悩んでいるので体調を崩す人もいます。それが原因でさらに収入が減ってしまうことになるかもしれません。ただし、債権が有効なうちはその状況を変えることが難しく、当然のように行われます。それを回避することができるのが自己破産の手続きです。債権が無効になれば、当然取り立てが来ることもありません。恐れながら家にこもる必要もなく、安心して生活を送ることができます。それが一番大きな変化と言えます。

債権者からの行為ができない

自己破産が申し立てられるようになると、破産手続きが開始されます。その時点から債権者から債務者への個人的な取り立てや強制執行ができなくなります。全ての手続きが終わるまで待つ必要もなく、開始時点から有効です。

例えば返済を強要するために給料を差し押さえが行われている場合、手続きが始まった時点でその必要はなくなり、今まで通り手元に入ることになります。また、取り立てが厳しくて生活に支障をきたしている場合でも、やめさせることが可能です。

このように申し立てが行われることで、借金返済から逃れるメリットを受けることができます。返済ができないことよりも取り立てが厳しいことの方が辛い人は多くいます。どうしようもできないと悩むよりは、早めに自己破産を検討した方が良いでしょう。法的な手続きを行うことで、強制的にやめさせることができます。いつも恐れて暮らしていたことがなくなれば、やり直す意欲も戻るはずです。毎日の生活で、生きていくこと以外に悩まされることは辛いことです。できないことを強要されることも厳しいはずです。そんな状況から1日でも早く離れられることが精神的に大きなメリットです。

これからを考えられる

自己破産イコール終わりと考えている人は以外に多くいますが、それは完全に間違っています。やり直すことができると言うことが自己破産をする上で最も有効なメリットと言えます。生活をスタート地点に戻して新しい人生を始めましょう。

自己再生と違う自己破産

借金に悩んでいる人に対して、自己再生と言う手続きもあります。債務を大幅に減らして、返済を軽減することで生活を立て直す方法です。つまり生活基盤を残すことができる点が自己破産とは異なります。住宅や財産を残したまま再生の機会を得ることができます。ただし、全ての借金がなくなるわけではありません。決められた分の借金については、手続き後の3年を目処に支払わなければいけません。どちらかと言うと返済のアシストです。

減額すればある程度の収入があれば返済を続けることができます。それは返すことができる見込みができる場合には有効な手段です。生活だけでとても継続することができないときには、選ぶことができない手段です。何も返さなくても良い状態にできることが自己破産のメリットです。そう言う意味では最終手段と言えます。最低限の財産以外はなくす代わりに債権を諦めてもらうことが自己破産ですから、完全なスタート地点と言えます。悩んでいることが返済することであれば自己破産を選んだ方が良いでしょう。そのことについて何も気にしないで生活できることが、再生する時の心の余裕を産みます。

再生することが重要になる

自己破産と言う制度があるのは、借金を帳消しにするためではありません、債務者に生活を立て直してもらうことが真の目的です。生活が安定して、収入を得られるようになっても返済が再開されることはありません。手続き開始時の状況で返済が難しいと判断されれば自己破産は成立します。将来の変化によって得られる収入は、資産には含まれません。返済の延長や休止ではないので、何かをきっかけに復活するようなことはないので安心です。

生活をしながら新たに収入を増やすことは大変ですが不可能ではありません。着実に取り組むことで成功する人もいます。返済の恐怖に耐えているよりはよっぽど建設的な考え方です。そしてポジティブな考えならば精神的な束縛を受けることもないでしょう。がんばることでより良い結果を得ることができるなら、辛いと言うことはないはずです。いくら頑張っても報われない返済の日々を続けているならば早めに自己破産を検討した方が良いでしょう。マイナスな考え方を続けていて良いことはありません。何かをやり遂げるにしても、今よりも良い状態になると思えた方が続けることができます。

まとめ

自己破産と言うとデメリットが大きいように感じるかもしれませんが、それは間違いです。やり直す機会を与えることが目的なので、多くのメリットがあります。だから困っていて、生活が困難だと感じるようなら検討してみる価値はあります。

関連記事

  1. 自己破産のうち少額管財事件の手続き方法とその流れ

  2. メリットとデメリットを理解して自己破産の手続きを検討しよう

  3. 自己破産は借金問題をリセットすることができる債務整理です

  4. 自己破産を理解するなら破産法を知っておくべき

  5. 自己破産をする時に知っておきたい管財事件と引継予納金

  6. 自己破産で少額管財制度を適用するにはどうすればいいでしょうか