自己破産を安心して行うために知っておくべきこと

自己破産は様々な問題を生じてしまうために怖いと考えている人は少なくありません。しかし、様々な負債を抱えたまま生活を続けていくことは非常に厳しく、また自分自身を再生しようとしても様々な問題を抱えたままではなかなかできないものです。そのため正確な情報を把握することが重要です。

自己破産のメリットとデメリット

自己破産は借金を清算するために非常に効率的なものですが、同時に様々なデメリットも発生します。しかしその内容が誤解されている面があり、そのために自己破産自体が怖いという人も少なくありません。そのデメリットを認識した上で適切な準備をする事が効果的に自己破産を行うために必要となります。

自己破産で得られるメリット

自己破産の最大のメリットは、借金が無くなることです。破産手続きを行う際には借金に対する免責も併せて検討されるため、これが認められれば借金に対する返済義務がなくなるため、返済を行う必要が無くなるのです。その上、弁護士などの専門家に依頼する場合には取り立てなどをやめるように通達する受任通知を債権者に送達するので、この時点で取り立てを止めることができます。自己破産を申し立てる人の場合には既に多くの借金の返済が滞っていることが多いため、毎日の取り立てに精神的に苦しんでいる人も多いのですが、これをすぐに止めることができるため精神的にも非常に楽になることができるのです。
さらに、基本的には所有しているすべての財産を借金の返済に充てるために差し出さなければなりませんが、当座の生活に必要な資産は裁判所に認められれば所有し続けることができるため、すべての財産を手放さなければならないという事にはなりません。その為、自己破産をしても必要な資金を残すことができる点もメリットとなるため、すべての生活が制限されるわけではなく、生活を立て直すきっかけを作ることができるのです。

自己破産のデメリット

自己破産は一般的には借金を無くすことができると考えられていますが、その反面様々なデメリットもあります。但しそのデメリットが大げさに伝えられている面も有る為、正確に認識することが必要です。
自己破産をするとまず信用情報機関にその情報が登録されるため、その後の借金やクレジットカードの審査に影響を及ぼすことになります。具体的には新たにローンを組んだりクレジットカードを作ることができなくなる可能性が高い点があります。ローンを組んだり、クレジットカードを作る場合には返済能力を確認するために様々な審査を行いますが、その際に信用情報機関にその情報を照会する事になります。その際に自己破産の記録があると審査に落ちてしまうのが一般的です。
さらに、自己破産を申し立て破産手続きを行っている場合には特定の仕事につくことができない場合もあります。公的な資格を必要とするものが主となりますが、その制限を受ける場合があるのです。但しこれは破産手続きが完了した後では制限が無くなります。また、財産が処分され債権者への弁済の一部に充てられるので、特に不動産や自動車の様な高額な資産は優先的に没収されます。
注意しなければならないのは、自己破産を申し立てても、借金の中に連帯保証人が設定されている場合には、連帯保証人に返済の請求が行くことになることです。このため、連帯保証人に迷惑が掛かることは認識しておくことが重要です。

自己破産が怖い理由とは

自己破産をするのが怖いという人の多くは、自己破産によって制限される項目を過大に解釈していることが多いものです。これによりその後の生活に大きな影響があると考えてしまうため、なかなか踏み切れない場合が少なくありません。その為、その内容を正確に把握する事が重要です。

多くの誤解がある自己破産

自己破産をするとその後の生活に様々な影響を及ぼしてしまうと考えている人は少なくありません。また、その様な情報が世の中に多く流れていることも事実であることから、誤解をしている場合も多いのです。
特に影響が大きいと考えられるのが、周囲の人に自己破産をしたことを知られてしまうということです。自己破産をすると官報にその氏名や住所が記載されることから、広く一般に公開されることで周囲の人に知られてしまうと考える場合が多いのですが、実際には官報は一部の人しか見ることが無く、また多くの自己破産者の名前が同時に掲載されることから、周囲に知られる確率は非常に低くなっています。さらに公的な証明書にその履歴が記載されるという話もありますが、その事実はありません。
その他にも、公民権が制限されたり、資産を一生涯没収されるなどの話を聞くこともありますが、これも根拠のない内容で、一時的に様々な制限が発生する場合はあっても、破産手続きが完了したあとは制限が解除されるので、問題が生じることはありません。中には家を借りる事ができないとか、海外旅行に行けなくなってしまうと言うこともないのです。

気をつけなければいけないこと

自己破産をすることで借金をへらすことができるほか、その後の生活に最低限必要な資産は残すことができるため、その返済で苦しんでいる人にとってはその生活をやり直すためには非常に方法となっています。しかし、すべての借金で苦しんでいる人に自己破産が認められるわけではなく、その理由などによっては認められない場合も有る為注意をしなければなりません。
例えば破産手続きの最中に財産の隠匿が発覚した場合や、クレジットカードを利用して現金化することで資産を増やそうとした場合、また特定の債権者に対して優先して返済を行おうとした場合です。これらは自己破産の手続きを円滑に行う上で障壁となってしまう物であり、この事実が発覚した場合には自己破産の手続きが停止されることになります。
さらに、自己破産の理由となった借金がギャンブル目的であったり、本来の申告を偽って借入れを行なった場合などは不正な借金と見なされ、自己破産による免責が認められないことになるので注意をしなければならないのです。
また、免責となった場合であっても、税金や交通違反などの罰金、及び損害賠償などは免除されない点にも注意が必要です。

自己破産をしない方法

自己破産をすると借金は基本的にすべて免除されることになりますが、財産は当座必要な物を除いては没収されるため、特に住宅や自動車は基本的に手放さなければなりません。しかし住宅は残したい、車は残したいといった場合には自己破産以外の方法を考慮することも必要です。

財産を残したい場合の債務整理

自己破産は借金を整理する債務整理の一種ですが、債務整理には他にもいくつかの方法があり、その方法によって手続きの方法が異なるため、その内容を知り最適な方法を選ぶことも非常に重要です。
自己破産はすべての財産を整理し、借金を全て清算する事にある方法ですが、債務整理には特定の借金だけを残すことでこれにかかる資産を残したり、若しくはその返済方法を変更することで返済を全て行う方法も有る為、これらの種類とポイントを確実に把握する事が重要となるのです。
その中でも特によく比較されるのが個人再生です。個人再生は例えば住宅を残したい場合には住宅ローンだけを残しその他を清算する方法で、特定の資産だけを残す為に有効な方法となっています。
但し、他の借金に関しては自己破産と同じように清算する事になるため、慎重に行なわないといけないことや、住宅ローンに関して様々な条件が有る為、その内容を十分に確認しなければなりません。そのため個人再生は申し立てればすべての場合で認められるわけではなく、さらにそのほかの条件との関連性もあるので十分に調査と検討が必要になる点に注意が必要です。

判断のポイントは何か

自己破産を行うかその他の債務整理を行うかの判断は自己資金と自分自身の経済状態、及び社会的な影響度による判断が必要です。自己破産は借金を全て清算する事ができ、また当座の生活に必要な資金は確保する事ができるので経済的には非常にメリットがありますが、その為に新たな借金ができなくなるほか、住宅やその他の資産を手放さなければならなくなるなどの問題が有る為、十分に比較検討を行うことが重要となるのです。
比較的返済額が少なく、また定期的な収入がある場合には任意整理ができないかを考えることも大切です。この方法では信用情報機関にその事実が掲載されるため新たな借金をすることはできなくなってしまいますが、裁判所に申立をせずに債権者と直接交渉を行う物であるため、社会的な影響を必要最小限に抑えることができます。また、弁護士などに依頼することで交渉を有利に進めることも可能になるほか、過去の返済回数が多い場合などは過払い金が発生している場合が有る為、これの返還請求を同時に行う事で借金の金額と相殺し、返済額を減額することも可能です。
様々な条件を踏まえて自分に最適な方法を選ぶことが大切で、そのためには専門家に相談することも非常に良い方法となります。

自己破産の手続きと方法

自己破産を行うためには裁判所に申し立てを行い、その申し立てが認められなければなりません。そのためには様々な説明や手続きを行う必要がある上、申し立てが正当で止むを得ない状況で有ることを説明しなければならないため、十分な準備が必要となります。しかし、その準備を自分だけで行う事は非常に難しく、専門家の助けを借りる事がスムーズに行うためには必要不可欠です。

良い専門家を選ぶ事が大切

自己破産の手続きは単に申し立てれば認められる物ではなく、様々な合理的な説明を行うことが必要です。また、必要な書類も膨大となるため、これらを滞りなく提出することで裁判官の印象を良くすることができ、スムーズに認められる可能性が高くなるものです。そのためには、それぞれの手続きや説明の内容を事前にしっかりと準備しておくことが重要となります。
しかし、これらの手続きを不馴れな本人がスムーズに行う事は非常に難しい上、場合によっては必要な書類を揃えることができないなど問題が発生することも少なくありません。債権者から情報を取り寄せなければならないケースも多いのですが、本人の申し出はなかなか受け付けてもらえないことも多いため、この面で多くの労力を費やしてしまうことが少なくありません。
これを解決するためには、弁護士などの専門家にサポートを依頼することが非常に重要となります。良い専門家ほどその手続きをスムーズに行う事ができるほか、債権者に対する依頼も実績が多いため滞りなく進めることができるのです。さらに取り立ての停止もしっかりと行うため、安心して任せることができる点がポイントです。

手続きの方法と特徴を理解する

自己破産を確実に行うためには、その手続きを確実に進めることが大切です。そのためには事前に必要な事柄を十分に理解しておき、準備すべき書類は確実に用意することが重要となります。
また、自己破産には大きく分けて2つの方法があり、そのどちらを選ぶかによっても手続きやその後の影響が異なるので、その内容も認識しておくと手続きが簡単になることも少なくありません。
一つは少額管財という方法で、これは破産を申し立てている人に財産がある場合に、破産管財人が其の財産を管理し、債権者に分配する目的で処分を行う方法です。債権者にとっては少しでも債権を回収する事ができる方法となりますが、本人にとっては費用が掛かる上、手続きの期間が長期間となることから、注意が必要となります。
もう一つは同時廃止という方法で、破産を申し立てている人に財産がないことが明確になっている場合に適用されます。手続きが簡単で、本人との面接で特に問題がないと判断されればすぐに手続きが終了するため、多くの場合に適用されるケースとなっています。
自己破産を申し立てる場合には、どちらの方法にするかなどに関しても事前に専門家に相談しておくとよりスムーズに行う事が可能です。

まとめ

自己破産は非常に怖いものという印象を持っている人も少なくありません。しかし正しい理解をして専門家に相談することで借金問題を解決出来る方法でもあります。適切な理解をして、様々な債務整理の方法も十分に理解した上で行う事で、借金の問題を最適に解決することができる方法となることも有る為、十分に理解し検討することが大切です。

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